はじめに:波動は共振するという前提から
「教える人の波動に生徒は共振する」
この真理を、私は研修講師としての3年間の経験の中で、徐々に実感として腑に落としてきました。
企業の新入社員研修という、一見スピリチュアルとは縁遠いような場であっても、人の内面の状態は見事に場全体に影響を与え、共鳴現象を引き起こすのです。
動揺する私に、呼応する研修生たち
講師として駆け出しの頃、私は自分の実力に自信が持てず、「うまくいかないかもしれない」という不安とともに教壇に立っていました。
その不安は、まるで想念のエネルギーとして空間に放たれ、結果として“うまくいかない”現実を引き寄せてしまったのです。
生徒たちは落ち着きがなく、教室の空気はガチャガチャと不安定。今思えば、彼らの反応は、私の内面の振動に共鳴していただけだったのかもしれません。
「現実を創る」のは、自分の波動だった
回数を重ね、経験が積み上がるとともに、私は「どんな状態でいれば研修がうまくいくのか」が少しずつ体感として掴めてきました。
つまり、自分自身が「うまくいく」「たとえ最初は荒れていても、最終的には整うものだ」という内的な確信と静けさを保っていると、不思議と研修生たちの態度も整ってくるのです。
これはまさに、動物のしつけにも似た現象。人間側が怯えていれば、動物は怯えに共振して吠えたり噛みついたりします。
人も同じ。人間は霊的な存在であると同時に、肉体を持った動物でもある。その“波動に共振する生き物”という特性を、私たちは無意識に持っているのだと思います。
この理論を裏付ける学説・研究
心理学者カール・ロジャーズは、「共感的理解」が教育において重要であると説きました。教師の内面が安心感と信頼に満ちていると、生徒も心を開くといいます。
また、物理学者デイヴィッド・ボームの「ホロニック理論」では、すべての存在は部分であると同時に全体であり、情報は場(フィールド)を通じて共有されているという仮説を提示しました。
現代のスピリチュアルな視点では、エネルギー療法の分野で知られるバーバラ・ブレナンも、「人のエネルギーフィールドは周囲の人に影響を及ぼす」と述べています。
つまり、科学的な視点でも、スピリチュアルな視点でも、「場を創るのは教える人のエネルギー」という見方は十分に支持され得るのです。
結局のところ:問題は“他人”ではなく“自分の波動”
私たちはつい、「あの生徒が問題だ」「この場が荒れている」と外側に原因を求めてしまいます。
でも、実は自分自身の内面が、場を“そういう風に”感じさせているのかもしれません。
「どうせうまくいかない」と思っているときほど、その通りの現実が現れる。
「きっと大丈夫」「本質的に人は良くなっていくもの」と信じていれば、周囲の人もそれに応えるように変化していく。
その力は、“技術”というより“在り方”の問題なのだと、私は今では思っています。
ヒーラーとは、人間音叉(おんさ)である
最終的に、私は「ヒーラーとは何か?」という問いにこう答えたい。
ヒーラーとは、人間音叉である。
安心、調和、信頼、包容といった“高い周波数”の感情エネルギーを、生命エネルギーとして、あるいは霊的なエネルギーとして、常に放ち続ける存在。
それは特別な能力ではなく、自分の内面を整え、意図を明確にすることで誰もが目指せる在り方です。
私もまた、講師という役割を通じて、そんなヒーラー的な存在になっていきたいと思っています。
おわりに:あなたの波動が、場の未来を創る
「教える」という行為の本質は、「伝えること」ではなく「共振させること」なのかもしれません。
だからこそ、自分の波動を整えることが最も大切。場が荒れているときほど、自分の内側に光を灯し直す。
そうすれば、生徒たちは、その光に向かって自然と歩き出すようになります。
教える人の波動が、学ぶ人の未来を創っていく。
この事実を、私はこれからも現場の中で確かめ続けていきたいと思います。