日本人は本当に勤勉なのか?
「日本人は勤勉な国民である」という言葉をよく耳にします。しかし、このイメージは本当に現在の日本にも当てはまるのでしょうか?
例えば、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が明治時代の日本に来たときに感じた「勤勉な国民性」という印象は、当時の日本人の姿を反映しているかもしれません。しかし、現在の日本人もそのまま勤勉であると言えるでしょうか?
もちろん、日本には進学校で厳しい学習環境のもと勉強に励み、難関大学に合格する学生もいます。しかし、それはあくまで一部の話。では、一般的な日本人の学習習慣はどうなっているのでしょうか?
外国語学習の場で見た、日本人の勉強しなさ
私は韓国語やドイツ語の学校に通い、それぞれ韓国人、ドイツ人といったその言語のネイティブスピーカーから外国語を学んだ経験があります。
同様にイギリス人の先生から英語を教わったこともあります。
先生だけでなく、異国生まれ&育ちのバックグラウンドを持った人たちが生徒として集まるクラスに参加して共に学ぶという経験もそれなりにしてきました。
その中で気づいたのが、日本人の学習姿勢が他の国の人と比べて圧倒的に消極的であるという点です。
例えば、日本人の生徒たちは、予習もしなければ復習もしない、自主的な学習もしない、家での勉強もしないという状態が非常に多いのです。
外国人の先生たちは最初は驚いた表情を隠せないものの、すぐに営業スマイルで「まあ忙しいですからね」「日本ではそれが普通なんですね」と合わせてくれます。
しかし、内心では「この人たち、大丈夫なの?」という様子で呆然としていたり、「マジか、、、だとするとどう教えたらいいんだろう?」と頭を抱える様子を隠せないことも多々ありました。
決して怒っているわけではなく、単純に「信じられない」「自国ではありえない」という驚きがにじみ出ていたのです。
勉強しないことを正当化する日本人
こういう話を日本人にすると、「その先生が真面目すぎるんじゃない?」「〇〇人(他国の人)はそういう国民性だからね」などの反応が返ってくることがよくあります。中には、「日本人はもともと優秀だから努力しなくても大丈夫」「日本は世界で成功している国だから、外国語なんて学ばなくても問題ない」といった意見を持つ人もいます。
しかし、本当にそうでしょうか?
例えば、日本人の英語力は世界的に見て決して高くはありません。TOEFLやTOEICの平均点を見ても、日本人の英語力は多くの国に後れを取っています。それなのに、「日本で生活するなら英語はいらない」「英語が話せなくても問題ない」という言い訳にすり替えられることが多いのです。
日本の“普通”がもたらす危機感
私が最も問題視したいのは、日本人の間で「勉強しないことが普通」という意識が浸透しすぎていることです。
・宿題を完璧にやってくる人が珍しい
・前回の授業内容を覚えていないのが当たり前
・ノートを取らない人が多い
・真面目に勉強すると「よくやるね(笑)」と冷笑される
こうした空気が日本社会には根強くあります。むしろ、勉強をしっかりやる人が「浮く」「空気が読めない」とされることすらあります。これが、ただの一部の人の問題ではなく、「日本人の普通」になってしまっているのが非常に恐ろしい点です。
30年前なら通用したかもしれないが……
過去数十年間、日本は経済的にも技術的にも優位性を持っていました。そのため、たとえ勉強しなくても、何とかなったかもしれません。しかし、これからの時代も同じように通用するのでしょうか?
グローバル化が進み、情報は瞬時に共有され、AIが発展し続ける現代において、「勉強しないことが普通」な国が世界の競争に勝てるのでしょうか?
・新しい技術を学ばない・世界のトレンドを知らない・外国語を身につけない
こうした状況が続けば、日本はどんどん世界から取り残される可能性が高まります。
まとめ:勉強しない文化からの脱却を
私は、日本人全員が「猛烈に勉強しろ!」と言いたいわけではありません。また、他国の人々と比べて「日本人は怠惰だ」と非難したいわけでもありません。
私が最も伝えたいのは、「勉強しないことが普通」という日本社会の意識が、今後の未来にとって本当に大丈夫なのか?という問題提起です。
これからの日本が世界の発展と協調し在り続けるためには、学ぶことを特別に意識が高いことだと例外視したり恥じるのではなく、むしろ積極的に学ぶことが重要なのではないでしょうか?