かつて、私たちは一つの共有された物理的現実に生きていると信じていた。しかし、それはただの幻想にすぎない。実際には、個々人がそれぞれの思考エネルギーに即した、独自にカスタマイズされた時空間を生きているのだ。
特にここ10年ほどで、その傾向は加速してきた。かつては、家族全員が紅白歌合戦を見ていたように、集合的な「共通の時空間」にある程度縛られていた。しかし、近年になって宇宙の運行ルールが大幅にアップデートされ、複数の世界線が生まれやすくなった。
以前は、特定の意図や訓練を持たなければ、世界線を移動することは難しかった。しかし、今やこのプロセスは極めて自然に、無意識レベルでシームレスに行われるようになっている。
例えば、あなたが何気なくスマホを開いたとき、SNSのフィードにネガティブな投稿が多く流れてくることもあれば、逆にポジティブなニュースばかりが目に入ることもある。これは単なる偶然ではなく、あなたがその瞬間どの世界線にシフトしているかを示すシグナルなのだ。
また、同じ家族や友人と話していても、「話がまったく噛み合わない」「以前と雰囲気が変わった」と感じることが増えているのではないだろうか。これも、個々人がそれぞれ異なる世界線を生きている証拠である。