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コラム

詐欺師スキルも方便

この記事では、演技力や「詐欺師スキル」がヒーラー業界でどのように活用されるかを述べています。スピリチュアル業界で立ち回る業者においては、完全な詐欺を意図していないものの、実力不足をカバーするために顧客を依存させる詐欺的な技術がしばしば使われると指摘。
そして、最終的には人々が成長する過程として、この「詐欺師スキル」が肯定的に作用することもあると示唆しています。

ポイント:
1. 演技や「詐欺師スキル」はヒーラー業界でも重要。
2. ヒーラーは実力不足を補うために顧客を詐欺師スキルで依存させがち。
3. 顧客も現実逃避のため、ヒーラーに依存して騙されたいという願望がある。
4. 長期的にはこれらのスキルが人材育成の観点では肯定的に作用する場合もある。

18歳で俳優の養成所に入ったとき、講師から真っ先に言われたのが

「これから君たちは、人を騙す詐欺師にもなれる技を身につけるんだからね。演技というのは使い方次第で毒にも薬にもなる。だからこそ、使い道を見誤ってはいけない」

という言葉。

なんとも牧歌的で、当時の「売れさえすれば、なんでもアリ」という風潮が強かった?芸能界に向かう身としてはその善良さのかけらのようなものが業界内にあるのを意外に感じていました。

ただ、ある程度以上、俳優としての演技力を磨く修練を積んでみて思うのは、

詐欺師というプロとして仕事の役に立ち、カモとしての客から見破られないほどの演技力を身につけるのは至難の業

ということ。

ほんとに芸能人として売れてる俳優の演技や、いわゆる一流どころの売れているタレントさんでも「声優に初挑戦」したときなどは(ry ←余計な敵は作らない世渡りスキルを多少は身につけた

という枕はこのへんにして。

スピリチュアル業界に足を踏み入れたときに同業者たちと接してみて驚いたのは、まさに

詐欺師スキルの高さ

でした。

しかも冒頭に述べたような、純粋・単純な演技力で人を騙すという範疇を超えている。
一連の「いかにも」人の心を開きつつナァナァにガードを緩めて懐に飛び込み、9割くらいは「それっぽい」話で信用させ、同時に飴と鞭を織り交ぜながら精神的SMプレイのように相手を虜にしつつ主導権を握って首輪をつけて依存させ、いつのまにか洗脳的に信者化させて金づるに……という。

そしてヒーラーとしての業者本人も、本当に純度100%の詐欺を働こうとはしていないんです。
本人も、本当ならちゃんと、れっきとしたヒーリングなりスピリチュアルカウンセリングなりをして、客の役に立ちたいと思っているんです。
ここがなんとも人間くさいというか……。

じゃあなんで詐欺スキルを発揮するかというと、「れっきとしたヒーリングなりスピリチュアルカウンセリングなりを(まだ)できないから」です。

学校の入試でも資格試験でも、満点って基本いないじゃないですか。
ちゃんとトップ合格した優秀とされる人であっても。

ヒーラーの仕事でも同じこと。
満点の成果を出せる人って基本いないんです。

まさにその、満点に届かない部分の危うさを、いわば詐欺師スキルでごまかしてお茶を濁すというのが妥当なところでしょうか。

そして、ここでは便宜上「詐欺師スキル」と、まるでそれ専門に訓練を受けて身につけたり才能がものをいう分野みたいな用語を使ってきましたが、実質ヒーラーが発揮する詐欺師スキルというのはせいぜい

子供が親になんとなくごまかしてちょっと嘘を混ぜて「おりこうさんにしていた」ふうを演出する……の延長線上

程度なんですよね。

ある意味では、大人になっても相当、純朴な人が多い特に日本では?、正直いって人を騙すのはチョロいです。
あるいは、内心では疑っていてもその人自身の気の弱さで言い出せなかったりして、ようするに騙す側が不利にならないように立ち回ることはそんなに難しくない。

ましてや、世間一般の人の騙されやすさを偏差値50とした場合、現状のスピリチュアル業界にお金を落としに来てくれる人たちというのは、偏差値49以下の“実質、カモ状態”にある、判断力など諸々のアタマが弱い傾向がたしかにあるようだな、と私は個人的にですが実感値として持っています。

もっと言うと
「現実をちゃんと見て自分の頭で判断した結果、自分がいかにできていないか・恵まれていないかetcのマイナスな結論に至るしかない有様。それがつらくて仕方ないから、どうか私をちゃんと騙して、いわば妄想という麻薬漬けにすることで、嘘でもいいから夢を見させてラクにしてほしい」
と積極的に騙されたがる人も珍しくないものだったりします。
(私はそういう状態の人がもしお客様として来た場合は容赦なく『目を覚ませ!』と冷や水をぶっかけてしまうので、大変嫌われます)

もっと他の同業者たちみたいに、まるで傷ついたサラリーマンを猫撫で声で甘やかしてボトルを無限に入れさせる小料理屋の女将のように、犯罪として判定されるまでもないグレーゾーンな騙し騙されの浮世渡りとして詐欺師スキルを発揮していきたいものです。

で。

この詐欺師スキル、本当に長い目で見たら悪いものではないな、と周囲を長年見て思うようになりました。

最初はヒーラー側も、悪気はないけれどちゃんとした実力がないからこそ、色仕掛けみたいな甘やかしで客を依存させて金づるにさせる。
客の側も結局はつりあう似た者同士が引き合うわけで、現実を見て自分の頭で判断して生きていく厳しさから逃げ込みたくて幻想としてのスピにどっぷり。
それでも。

それでも!

完全にそういう人たちが全力で堕落していかない限り、数%でもなんでもヒーリングをやったり受けたり、あるいはセミナーで教えたり学んだりをしていくと、徐々にではありますがちゃんとしてくるんですよ。どうやら。

私もアマチュアや副業時代を含めるともうこの業界に20年くらいはいるわけですが、最初〜途中の折々には「うわぁ」と感じた同業者やそこに信者&金魚のフンみたいに付き従う客たちのグループをいくつも長期的に観察する形に結果としてなる中で、多少以上にレベルが上がっている人たちもいて意外に思って感心することがあります。

まるで学生のうちはヤンチャでイタズラもして勉強の出来もよくない子供たちが、それでも周囲の忍耐強い愛情あるコミュニティの中で育っていき、気がついたらそこそこちゃんとした大人になっていた……の大人スピリチュアルバージョンw

学びの途中、しかも学び始め当初のアララな要素をいちいち重箱の隅つつきみたいに指摘してダメ出しするほうが、長い目で見たら狭量な野暮なのかな……とすら思うようになりました。

急に話題が大きく飛びますが、上記のような諸々を踏まえて考えると、

世の中どこも誰もすべからく「詐欺的」

とも言えなくもない。

純度100%の金塊など基本的にこの世のどこにも存在しないように、わざわざ悪気があって犯罪としての詐欺をはたらくでなくとも、人間なんてみんな多かれ少なかれ詐欺師みたいなもの。

……そう捉えたら、少しおおらかな気持ちになりませんか(ね)?

まぁ、他人がどう思うかはその人自身の問題であり責任であり裁量でもあるのでどうでもいいんですが、私自身に関しては、こう思えるようになってきました。

だから。

それこそ先日、とあるヒーリングセミナーのインストラクター養成講座に出たんですが、英語で展開されるそのセミナーに通訳がいなかったこともあってか、英語力がそこまで完璧ではないのであろう日本人受講生たちはほとんど創始者の話を理解できてなかった。

講座の中で実際にセミナーを教える場面を想定して模擬講義をするパートがあったのですが、日本人たちがそこで説明することが支離滅裂。
それ、何セミナー?と首を傾げざるを得ないくらい「創作」のオンパレードだったんです。

でも、まさにこの記事に書いたような寛容さで私は受け止め、おおらかな笑顔を浮かべてその場をやり過ごしました。

だって、そうでもしなきゃ、やってられないよ?

そう、アレな他人への寛容さは、自分を守る命綱でもあるのです。

そこで記事タイトル。

「詐欺師スキルも方便」

何がどうどんなふうに「方便」なのか、あえて曖昧なままで。(←ほら、詐欺的!)
自分が怒りに呑まれて自分自身の心身を傷つけないように。

そして、習った内容をほとんど全部わかってない状態で教えろと言われたとき、自信満々でカリスマ性を放ちながら嘘八百にも等しいデタラメを、怒涛の説得力で何十分でも話せる「詐欺師スキル」も、それはそれで一つの取り柄なのは(きっと)間違いない。
これは、そんじょそこらの客には見抜けないよ。
でもって開催するセミナーは毎回、満員御礼で受講生からの評価も高いんだって。
それならいいじゃんね?って話。
なのかな?
……なのかどうかじゃなくて、実質、現状、そうなんだってことは受け止めないとね、オトナだし。

みんな逞しいね〜。
商売繁盛で、豊かさ〜♪

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