usamimiのブログを読む
コラム

かつての漫画のキャラのような、テンプレなだけの人が減ってきた

よく漫画やドラマに出てくる「意地悪キャラ」や「学歴至上主義者」「美しさに固執するルッキズムの権化」など、特定の思想や価値観に囚われたテンプレ的な人物。昔は現実世界にもそんな人がたくさんいた。

30代半ばくらいまで、私の周りにはまるで舞台演劇の端役のように「◯◯なだけ」の人が多かった。たとえば、

学歴信奉者で、話すことは常に学歴の話のみ。高学歴を持ち上げるか、低学歴を貶すかのワンパターン。

年齢や性別でしか人を評価できず、社会的地位に基づいてのみ人間関係を築こうとする。

出世欲があるくせに努力はせず、愚痴ばかり言っている。

どんな話も最終的に「正社員か非正規か」「右か左か」「モテるかモテないか」といった単純な二項対立に落とし込む。

まるでプログラムされたNPCのような彼らは、創意工夫のないAIチャットボットみたいな存在だった。

時代が変わったのか、自分の世界が変わったのか?

今、ふと気づくと「◯◯なだけ」の人が減ったように思う。私がそういう人たちを身近に引き寄せなくなっただけなのか、時代そのものが変わったのかはわからない。

しかし確かに、今の若い世代には昔のような「テンプレキャラ」は少ないように感じる。以前の世代なら、どんな話題を振っても一つの価値観に固執し、何を言っても同じパターンの返答しか返ってこなかった。しかし今の若者たちは、より柔軟で、多様な考え方を持っているように思う。

これは、インターネットの普及のおかげなのかもしれない。情報があふれ、多様な意見に触れる機会が増えた結果、人々は以前よりもコモンセンス(常識的な知識)を向上させてきているのかもしれない。

それでも「伝統芸能」のように残る思考パターン

とはいえ、まだまだ「◯◯なだけ」の人は存在する。特にアラフィフ以上の世代では、その傾向が色濃く残っているように思う。彼らは何を見聞きしても、「女としての価値」「正社員か非正規か」「右か左か」といった単純な基準でしか物事を判断できない。

先日、酒場でアラフィフ男性3人のグループの会話が聞こえてきた。彼らは2時間以上にわたり、

「正社員という勝ち組か、非正規という負け犬か」

という話題だけで盛り上がっていた。3人とも正社員らしく、神にでもなったかのように非正規雇用の人々を見下し、気持ちよさそうに嘲笑していた。

まるで2010年以前の時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えた。時代錯誤すぎて、私はただ静かに飲みながら、

「いるところには、まだこういう伝統芸能を嗜んでおられる方々がいるんだなぁ……」

と遠い目をしていた。

進化していく人間、取り残される人間

確かに、社会全体としては「◯◯なだけ」の人が減り、多様な価値観を持つ人が増えてきている。しかし、それでも一定数、時代に取り残されたような人たちはいる。

そういう人たちが今後どうなるのかはわからないが、少なくとも私は、

「以前より生きやすくなった」

と感じている。これが退化でなく進化であることを願いつつ。

PAGE TOP
ログイン 会員登録
会員登録