私たちは日常の中で大小さまざまな嘘をつくことがあります。それ自体は「大人としての処世術」や「社会的な潤滑油」として仕方ないとされる場合もあります。しかし、嘘をつき続けることで生じる脳への負荷について考えたことはあるでしょうか?
嘘をつくたびに、誰にどんな嘘を言ったのかを覚え、その場面ごとに言動を取り繕う必要があります。その結果、前頭葉がフル稼働し、常に血流がMAXになるような状態に陥るのです。
嘘をつくことの脳への負担
前頭葉は、記憶や判断、計画、そして感情のコントロールを担う非常に重要な脳の部位です。嘘をつくことで、次のような負担がかかります:
1. 記憶への負担
嘘を維持するために、「誰に」「どの嘘を」「どの場面でついたか」を覚えておく必要があります。これが積み重なると、記憶力を消耗し、脳が疲弊します。
2. 常に警戒モード
嘘がバレないように注意を払うことで、前頭葉が過剰に働き、脳がストレスを感じる状態が続きます。
3. 自律神経への悪影響
嘘を守るための緊張状態が、慢性的なストレス反応を引き起こし、心身の健康を損なうこともあります。
「大人だから嘘が必要」は本当か?
いくら大人の社会で生きているからといって、常に周囲に嘘をつき続けなければならないでしょうか?もちろん、個々人の事情によりますが、多くの場合、その必要はないはずです。むしろ、嘘を減らし、身軽に生きることで得られる解放感や健康への恩恵の方が大きいでしょう。
嘘を断捨離するステップ
抱えている嘘がある場合、それを少しずつ減らしていくのがおすすめです。
たとえば:
– 学歴や年収の水増し
見栄を張るための嘘は、少なくともこれから出会う人にはつかないと決めましょう。
– 防衛や虚勢の嘘
他人に対して防衛的に嘘をつく癖があるなら、それが本当に必要かを見直し、無意識に虚勢を張る行動を少しずつ修正していきます。
嘘を手放すことで、自然体の自分でいられる心地よさを取り戻せます。
本音を隠す必要がある場合の対応
とはいえ、すべての嘘を手放せるわけではありません。たとえば、セクシャリティの問題や社会的偏見が強い状況では、本音を明かすことが難しい場合もあります。このような場合には、以下のポイントを意識するとよいでしょう:
1. 罪悪感を持たない
「これは社会的な偏見を回避するための方便だ」と割り切り、堂々と振る舞う。
2. 関わる人を選ぶ
偏見を持たない人や、安心して本音を話せる相手を見極め、環境を整えていく。
3. 人間関係の清算も視野に入れる
嘘で塗り固めた人間関係は、長期的に負担になることが多いです。必要なら少しずつ関係を見直していくことも重要です。
一生嘘をつき続けるか、それとも解放されるか?
嘘をつき続けて墓場まで持っていくのは一苦労です。同じ苦労をするなら、嘘を断捨離し、自然体で生きる道を選んではどうでしょうか?
これからの時代、見栄やプライド、劣等感を隠すために自分から嘘をつく行動パターンを修正し、嘘のない生き方へ段階的にシフトすることが、心の健やかさを取り戻す鍵となるでしょう。
2025年、嘘のない生き方プロジェクトを始めよう
年の節目でもある2025年から、自分の中にある「嘘」と向き合い、少しずつ手放していくプロジェクトを始めてみませんか?
嘘をつかない選択肢を取るたびに、自分自身の内面がクリアになり、周囲との関係性もより自然で健全なものへと変化していきます。負担の少ない心地よい生き方を目指し、一歩ずつ進んでいきましょう。