スピリチュアルな学びの道を歩み始めるとき、
私たちは多くのことを「知りたい」と思います。
でも、もしその“知りたい”という動機の裏に、
「自分の意見こそが霊的に正しいのだ」と証明したい欲望があるとしたら──
それは、危ういエゴの罠かもしれません。
本当のスピリチュアルな探究とは、
時に自分の信念が真っ向から否定され、
心の奥底が崩れ落ちるような体験すら伴うもの。
「本当のこと」を知るには、それ相応の覚悟が必要なのです。
■ 真実を知りたい？それとも「正しいと言われたい」？
スピリチュアルの世界では、ときどきこんな場面を見かけます。
「これはスピリチュアル的に正しいことなんだから！」
まるで“水戸黄門の印籠”のように「霊的な真実」を振りかざし、
自分の意見を押し通そうとする人。
こういった主張の裏側には、
「他人に自分の意見を信じさせたい」
「カリスマ性がないから、霊的な権威を借りたい」
そんな“承認欲求”が潜んでいることが多いものです。
でもそれは、“霊的真実”への純粋な探究心ではなく、
単に「自分のエゴを満たしたいだけ」になってしまっているのです。
■ 「悪者が悪者として裁かれる世界」を望む心
「悪人は裁かれるべきだ」
「闇の支配層を一掃すれば世界は平和になる」
そんな過激な思想を“霊的な真実”に仕立て上げようとする人もいます。
都合のいい記述を探して、
古い宗教書やスピリチュアルの文献の中から、
自分の意見を裏付ける箇所だけを切り取り、
「ほら、これが真実だ！」と声高に主張する──
けれどそれは、真実の探究というより、
「自分が正しい」と思いたいだけの、
ちょっとあさましい行為とも言えるのです。
■ 霊的な真実とは、“善悪”を超えた視点
スピリチュアルな真実というのは、
人間的な「正しさ／間違い」といった二元論を、はるかに超えたところにあります。
たとえ“悪人”とされる人がいたとしても、
その人はその人なりに、魂として必要な経験をしている。
それが霊的な観点における「合理性」です。
だからこそ、その人は今、生きて存在しているのです。
人間の法律や道徳で「悪」とされている行為も、
霊的な視点から見れば、単に“学びのプロセス”であり、
「許せない！」と感じる自分の内側にある“視野の限界”こそが、
学びの出発点なのかもしれません。
■ 反発する心こそ、成長のチャンス
こうした話を聞いて、
「ふざけるな！」とムキになってしまう方もいるでしょう。
それもまた自然な反応です。
ですが、その“怒り”や“反発”の感情は、
まさにあなたの内側にある“エゴ”が反応している証拠でもあります。
「気に食わない」「納得いかない」
そう感じたときこそ、自分に問いかけてみてください。
「私は何を否定されたと感じているのか？」
「なぜ、これほどまでに感情が揺れるのか？」
その問いの中に、
本当のスピリチュアルな成長のヒントが隠れているのです。
■ 逃げるのも自由、向き合うのも自由
もしここまで読んで、
「どうしても納得がいかない」
「自分には受け入れられない」と感じたとしたら──
それも一つの“選択”です。
スピリチュアルの探究をお休みするのも、
自分の思考で世界を作り出す方向に舵を切るのも、自由です。
けれど本当に“魂の成長”を望むのなら、
「気に食わない真実」とも、そっと向き合ってみてください。
それは、あなた自身の殻を破るきっかけになるかもしれません。
■ 本当の解放は「エゴを超えた先」にある
スピリチュアルとは、
「自分の意見を正当化するための道具」ではありません。
他人をコントロールしたいエゴ。
自分を特別な存在として扱われたいエゴ。
誰かに「すごい」と言われたいエゴ。
こうした欲を手放していく中にこそ、
真の学び、真の自由があるのです。
真実とは、エゴの満足ではなく、
その奥にある「魂の静けさ」や「愛」に触れること。
もしあなたがその道を選びたいと思うのなら、
どうかその歩みを止めずに進んでください。
あなたの内側にある本当の自己と、
いつかきっと出会えますように。
心からの祝福とともに。
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