はじめに
スピリチュアルヒーリングの世界には、多くのモダリティ(療法・手法)が存在します。しかし、それらを個人の「宗教」のように扱い、他人に強制したり支配しようとする人もいます。本記事では、ヒーリングモダリティを誤った形で利用することの危険性について考えていきます。
ヒーリングモダリティを盾にする人々
仕切りたがるものの自信や能力、人望がない人は、何かしらの教義や規範を見つけ、それに賛同する人々の輪に入り、自分がリーダーのように振る舞うことで他人を支配しようとします。
彼らは自分の意見や信条ではなく、
「それは教義に反するからダメだよ」
という形で他人の行動や言動を制限し、自分の理想とする枠の中に他人を当てはめようとします。こうした行動は、実際には自分のエゴを満たすためのものであり、結果として他者を束縛することになります。
ヒーリングモダリティは宗教ではない
私は宗教には詳しくありませんが、ヒーリングモダリティに関して言えば、宗教ではありません。多くのモダリティには規範やガイドラインがありますが、それらは宗教的な戒律とは異なります。
例えば、良心的なヒーリングモダリティの場合、
- 医師法・薬事法に抵触する言動をしない
といった現実世界の法規に則ったルールが設定されています。
もちろん、経験豊富な先輩が初心者に対して、違反行為を注意することはあるでしょう。しかし、それを超えて、モダリティを「権威」のように扱い、
「これは〇〇の教えだから従え」
と他者をコントロールしようとするのは本質的に間違っています。
「虎の威を借る狐」になってしまう理由
こうした支配的な態度をとる人は、多くの場合、
- 実力で他人から尊敬された経験がない
- 自力で人から頼られる立場を築けていない
といった共通点を持っています。彼らは本来の社会で評価されることができないため、ヒーリングモダリティを利用して、他人に影響を与えようとします。
最初は自信のなかった人でも、ヒーリングの効果を実感すると、
「正しい生き方を世の人々に広めたい」
と考え始めることがあります。これは一見すると立派な態度のように見えますが、
「自分は正しい。だから他人も従うべきだ」
という思考になりやすく、結果的に他者に対して説教や押し付けを始めてしまいます。
スピリチュアルの押し付けは迷惑行為
多くの日本人は、特定の宗教観を持たずに生きており、
- お金があればどうにかなる
- 現実世界のルールの中で生きる
といった価値観を持っています。そのような人々に対し、
「スピリチュアルに目覚めろ」 「宇宙の意志に従え」
と言っても、迷惑なだけです。
スピリチュアルの素晴らしさを理解していない人は確かに多いかもしれません。しかし、それを「気づかせるべき」「目覚めさせるべき」と考えるのは、単なる押し付けに過ぎません。
他人の生き方に干渉するべきではない
他人は自分と違う価値観を持ち、それぞれの人生を生きています。その事実を理解していない人ほど、
「私は悪くない、モダリティの教えに従っているだけ」
という責任転嫁をしながら、他人に介入しようとします。
しかし、
- 自分の責任で自分の言葉を発することができない人
- ガイドラインを盾に他人を支配しようとする人
が、他者の人生に口を出すべきではありません。
むしろ、そうした支配的な考え方を持つ自分自身を「ヒーリング」することが、最初にすべきことではないでしょうか?
まとめ
ヒーリングモダリティは、個人の成長や癒しのための手段であり、宗教のように他人に強制するものではありません。
- 自分のエゴで他人を支配しない
- モダリティを「権力」として利用しない
- 他人の価値観を尊重する
これらを意識しながら、健全なヒーリング活動を行うことが大切です。他人の人生をコントロールしようとする前に、自分自身の内面と向き合うことこそ、真のヒーリングではないでしょうか。