はじめに
研修講師として活動する中で、私が気づいたことがあります。それは、「人を見る目」と「人が育つとは何か」を解像度高く理解できるようになってきたということです。初年度は試行錯誤の連続で、受講者からの評価も芳しくなかったものの、3年も続けていくうちに、安定して高評価を得られるようになりました。今回は、そのプロセスを通じて得た学びや成長を共有します。
評価される側から評価する側へ
会社員として働いていた頃、評価されないことへの不満や、上司への愚痴はありがちなものでした。しかし、研修講師として、他の講師と協議しながら受講者を評価する立場になって数年が経つと、「人を見定める力」や「評価基準となる価値観」が自然と育まれている自分に気づきました。日本の企業文化という枠内で共通する評価観があり、それが次第に見えてきたのです。
低評価の背景を知る
研修を通じて、多くの受講者と接していると、評価されずに憤慨する人には一定のパターンがあると感じました。自己評価が甘く、客観的に見ればさほど優れていないのに「自分は評価されるべき」と信じている場合が多いのです。これにより、会社員としての評価が必ずしも理不尽ではないことが理解できました。むしろ、多くの企業では妥当な評価が行われていることが多いと感じています。
自分の成長と講師としての成熟
研修講師としての初年度は、全力で教えたにもかかわらず受講者アンケートで低評価を受け、精神的に苦しむ日々が続きました。しかし、経験を重ねるうちに、受講者の思考パターンや反応を予測できるようになり、適切なアプローチを取ることで高評価を安定して得られるようになりました。
私生活にも活きる「人を見る目」
講師として人を見る目を養ったことで、プライベートでも人との関係性を冷静に分析し、適切に距離を取れるようになりました。相手の興味や警戒心を察知し、好感度を上げるための対話術も身につけられたと感じています。
終わりに
研修講師としての経験を積むことで、人を見る力や評価されるポイントを理解できるようになりました。その結果、過去に感じていた「評価されない自分」への苛立ちや無力感から解放され、より自信を持って生きられるようになったと実感しています。