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コラム

競合他社=「敵」って古ダサくない?

「スタッフとしては味方。でも独立したら敵」って本気?

ある日、仕事で関わることになった社長がこんなことを言ってきた。

「スタッフとして尽くしてくれるうちは味方ですけど、うちと同じ商売で独立しようもんなら同業他社。つまり敵ですからな」

冗談めかしつつも、目は笑っていなかった。これはつまり、「変な気を起こすなよ」という釘刺しなのだろう。

確かに、経営者として従業員の動向を気にするのは当然だし、競争がある以上、同業者を意識するのは無理もない。
ただ、それにしたって「敵」って発想が古くないか? と思ってしまった。

ビジネスのマーケットってそんなに小さい?

業界によっては、ライバル同士の競争が熾烈で、一社の成功が他社の衰退を意味するケースもあるかもしれない。
でも、現代の多くのビジネスは、必ずしも「どちらかが儲かったら、もう片方が閑古鳥」みたいなゼロサムゲームじゃない。

市場は広がることもあるし、顧客のニーズも多様化している。
それなのに、「自分のところの人間が独立したら即・敵」 という考え方にしがみついて、裏切られないように威圧するやり方って、器が小さくないか?

そんなことで「裏切るなよ」みたいな目を向ける前に、「一緒に業界を盛り上げよう」 くらいの気持ちでいたほうが、結果的にビジネスも円滑に回るんじゃないかと思う。

「部下や協業者の独立=敵対」ではなく「変化への恐怖」では?

この社長に限らず、こういう考え方をする人は少なくない。
もしかすると彼らは、単に「競争」を恐れているのではなく、「変化すること」そのものが怖い のかもしれない。

・これまで信頼していたスタッフが、自分の手を離れてしまうこと
・そのスタッフが成功して、自分の立場が危うくなること
・変化に適応できず、時代の波に取り残されること

こういった不安が、競争相手への敵視となって表れているのではないか。

もしくは、彼自身も若いころ、同じように脅しをかけられたり、裏切られた経験があるのかもしれない。
「経営とはそういうものだ」と教え込まれてきた結果、疑うことや威圧することが「しっかりした経営者の仕事」になってしまったのではないか。

そんなふうに考えると、ちょっと切なくなった。
「勝ち抜くために、誰かを疑い、牽制し続けなければならない」――そう信じている人生って、楽しいのだろうか?

実は、そんなに身構えなくても大丈夫なのでは?

個人的には、「誰かが独立したら敵になる」なんて恐れなくても、案外うまくいくものだ と思っている。

もちろん、すべての人が誠実なわけではないし、不意打ちを食らうこともあるかもしれない。
でも、怯えすぎて攻撃的になったり、他人を疑ったり、制約を押し付けたりすることで、かえって人が離れていく ことのほうが問題ではないだろうか。

「競合する相手がいる」ということは、業界にそれだけの需要があるということ。
むしろ、新たなプレイヤーが現れることで市場が活性化する可能性だってある。

だからこそ、そんなに「敵」とか「裏切り」とかに怯えなくてもいいのでは?
少なくとも、自分がビジネスをするなら、そんな器の小さい考え方には縛られたくない。

「みんなで成長できる」くらいのスタンスでいたほうが、きっと心の平和も、ビジネスの発展も得られるはずだ。

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