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コラム

置かれた場所で人気者を目指すな – 労力対効果を考える大人の選択

はじめに

「スクールカースト」という言葉が定着して久しい。学校という小さな社会の中で、人気者とモブ、勝ち組と負け組が生まれる現象は、多くの人が経験してきたことだろう。

しかし、この構造は学校だけにとどまらず、社会に出ても続く。会社内での人気は人事評価に影響を与え、昇進や給与といった現実的な問題にも関わる。さらに、SNSの発展により、職場や家庭とは別の人間関係においても人気や評価が意識される時代になった。

だが、本当にどこにいても「人気者」になることを目指すべきなのだろうか? ここでは、集団内での評価に振り回されることのリスクと、賢い距離の取り方について考えてみたい。


人気と承認欲求に振り回される現代社会

現代では、大人であっても友人関係の人気が可視化される場面が増えている。たとえば、SNSの「いいね」やフォロワーの数、誕生日パーティの豪華さなどが、グループ内のヒエラルキーを示す指標となっている。

これが仕事やプライベートを超えて、自己効力感や自尊心に直接影響を及ぼしてしまうことも珍しくない。「自分はどこにいても人気者であるべき」という考えに取り憑かれ、それを達成するために不要な努力を重ねる人もいる。

もちろん、集団の中で一定の評価を得ることは悪いことではない。しかし、それが本当に自分の幸せにつながっているのかどうかは、冷静に考える必要がある。


30代以降の「人気」との向き合い方

筆者は30歳で独立し、ひとり暮らしを続けて20年が経とうとしている。その間、さまざまな集団と関わりながらも、基本的には「よそから一時的に混ざる」スタンスを取ってきた。

この立場から見えてくるのは、どの集団にも必ずヒエラルキーが存在し、日なたと日陰の差があること。そして、それにこだわらない生き方もあるということだ。

どんな集団に属しても、適切な振る舞いをすれば「中の上」くらいの立ち位置にはなれるものの、それが自尊心や自己効力感につながるわけではない。なぜなら、集団への依存度が低くなればなるほど、そこでの評価が自分の価値に直結しなくなるからだ。


「場を増やす」ことで見える世界が変わる

スクールカーストや会社内のヒエラルキーに苦しむ人の多くは、自分の世界がその集団しかない状態に陥っている。たった一つのコミュニティにすべてを委ねてしまうからこそ、評価が重くのしかかるのだ。

しかし、視野を広げて「場を増やす」ことで、その負担は軽減される。

  • 仕事のコミュニティだけでなく、趣味や習い事のグループを持つ
  • オンラインとオフラインの両方で多様な人と関わる
  • 一つの集団に依存せず、適度な距離感を保つ

こうした工夫をすることで、どこか一つの場での評価に振り回されることなく、自分の価値を多面的に捉えられるようになる。


まとめ:賢い大人は「無駄な人気取り」をしない

いい年をしてなお、特定の集団内での評価に一喜一憂するのは、あまりにもリスクが高い。集団の中で人気者になろうと努力すること自体は悪くないが、その労力対効果を考えることも重要だ。

「この集団での評価は、本当に自分の人生にとって意味があるのか?」

そう自問しながら、必要な距離を取り、複数の場を持つことが、成熟した大人の生き方ではないだろうか。

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