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コラム

人の痛い人生経験を聞く際は、答える側の心理的侵襲性に注意

心理的侵襲性とは?

「心理的侵襲性」とは、相手の心に深く踏み込むことで、無意識のうちに精神的な負担や痛みを与えてしまうことを指します。カウンセリングやヒーリングセッションの場では、クライアントが過去の辛い経験やトラウマを語ることがあります。その際、質問を投げかける側が無神経な態度で臨むと、クライアントにとっては「尋問」や「詰問」のように感じられ、心をえぐるような苦痛を与えることになりかねません。

ヒーリングセッションにおける問題点

カウンセリング型のセッションでは、本来ヒーラーはクライアントに寄り添うべき存在です。しかし、まるで探偵のように「事件の解決」を自己満足のために探るような姿勢で証拠集めをし、詰問するケースがあります。

私自身、先日ヒーリング実践会でクライアント役を務めた際、ヒーラー役の人(しかも私の教え子)からそのような扱いを受け、深く傷つきました。

心をえぐる質問の暴力

そのヒーラー役が私に投げかけたのは、

「なぜあなたはハイスペックなのに、さっさと自分にふさわしいステージに駆け上がらないのか?」

という問いでした。

もし一般のクライアントならば、この質問に対して「自分でも分からない」と答えたかもしれません。しかし、私は普段からセルフワークをしており、その答えを既に理解していました。それゆえ、私はこう答えました。

「実家の家族たちがみんな低スペックで、気持ちのどこかで彼らを置き去りにして自分一人だけエリート方面に突き進むことにためらいがある。」

この一言を発すること自体、私にとっては痛みを伴うものでした。それはまるで、数十年にわたり私が向き合ってきた問いを改めて突きつけられるかのような感覚でした。

クライアントの痛みを「興味本位」で扱う危険性

私がこの言葉を絞り出した直後、ヒーラー役はこう言いました。

「あぁ〜、そこにつながるなんてことがあるんだ〜」

その口調は、知的好奇心が満たされた自己満足に満ちたものでした。私が苦しみながら答えたことが、彼女にとってはただの「興味深いデータ」だったのです。その瞬間、私はまるで実験用のマウスのように扱われていると感じました。

この調子で、ヒーラー役の詰問は続きました。まるで、彼女がすべての情報をつなげて納得できるまで、私の心の奥底からデータを搾り取るかのように。

数日経っても思い出すだけで怒りがこみ上げてくるほどの、特大の「ヒーリングハラスメント」でした。

クライアントの感情に寄り添わない「自己満足型ヒーリング」

最も残念だったのは、ヒーラー役がセッションの終わりに見せた態度でした。こう言ったわけではないですが、私が彼女の態度から受けた印象を言葉であらわすなら

「はい、ご苦労さん」

まるで完璧なセッションを終えたかのように満足げな様子で、私の傷つきや怒りには一切気づいていませんでした。

さらに、私の悩みに対する「解決策」として彼女が言ったのは、

「まぁ結局、あなたがどうするかですよね。」

これでは、最初から相談する意味がありません。もし最終的に「自分で決める」しかないのなら、わざわざこのヒーリングセッションを受ける必要はなかったのではないか?

スピリチュアルヒーラーの責任と業界の問題

このような無神経なヒーリングセッションは、決して珍しいことではありません。

心理職のように一定のプロフェッショナリズムが担保されている職種であれば、このような問題は少ないでしょう。しかし、スピリチュアルヒーラーの世界では、倫理観が非常に甘く、「努力目標としては気にすべきだよね」と言いながら、結局は守られないことが多いのです。

私自身もスピリチュアルヒーラーですが、業界全体の全員を救済する使命や義務を感じているわけではありません。むしろ、こうした無責任なヒーラーは淘汰されて当然だと思っています。そして、自分自身が同じような過ちを犯したときには、私も淘汰されるべきだとさえ思っています。

本当に「信用されるヒーラー」になるために

スピリチュアルという分野は、それだけで一般的に「怪しい」「信用できない」と思われがちです。しかし、その根本的な理由は、スピリチュアル自体の問題ではなく、単純に「人として」「プロとして」未熟であり、無責任な言動を取るヒーラーが多いからです。

クライアントが痛みを伴う話を語る際、その一言一言は重く、傷つきやすいものです。言葉を発するだけで大きな負担がかかることを、セッションを行う側は決して忘れてはなりません。

本当に信頼されるヒーラーになるためには、単なる「知的好奇心」ではなく、「共感」と「寄り添う姿勢」を持ち続けることが不可欠です。


まとめ

  • 心理的侵襲性とは、相手の心に過度に踏み込むことで精神的な負担を与えてしまうこと。
  • ヒーリングセッションにおいて、クライアントの心を詰問するような態度は大きな傷を与える。
  • 知的好奇心の満足のためにクライアントを扱うことは、ヒーリングハラスメントになり得る。
  • スピリチュアルヒーラーの倫理観が問われる時代になりつつある。
  • 本当に信頼されるヒーラーになるためには、共感と寄り添う姿勢を忘れないことが大切。

クライアントの心を扱う仕事に携わるすべての人が、もう一度、自分の姿勢を見直す必要があるのではないでしょうか。

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