スピリチュアル業界に巣食う「偉そうなヒーラー」たち
スピリチュアルヒーラーや占い師は、しばしば「一般人よりも悟っている」「秘儀を知っている」という優越感に浸りがちです。その結果、偉そうな態度をとる人が後を絶ちません。特にセッションを通じて他人にアドバイスをする仕事柄、自己の成長が伴わないまま天狗になり、客を見下すような言動をとる者も多く存在しました。
かつてのスピリチュアル業界では、特に年長者が年功序列を濫用し、年下や初心者を威圧する風潮が顕著でした。しかし、そうした風潮の中で「本当に実力のあるヒーラー」はどれほどいたのでしょうか。
かつてのスピリチュアル業界の風景
私は2010年頃、スピリチュアル業界の末端の立場としてその世界に足を踏み入れました。当時のヒーラーたちの態度は、驚くほどに高圧的であり、
- 受講したセミナー修了証のランクで人間関係の序列が決まる
- 初対面でもタメ語が当たり前
- 「指導者」と呼ばれる人たちが、誤った知識を堂々と広める
といった状況が普通に繰り広げられていました。
実力で示さない者の末路
威張るなら実力で示せばいい。しかし、知識の欠如や誠実さのなさが目立つ者ほど、自分の実力を誤魔化し、適当にセミナー修了証やインストラクター認定証を手に入れていました。そして、「自分は特別な存在」と錯覚し、さも大層なことを成し遂げたかのような顔をしているのです。
こうした状況に疑問を感じ、私は年上に対しても臆せず指摘をしていました。しかし、それが「若いくせに生意気」という理由で、陰口を叩かれ、孤立させようといった小細工をされることもありました。
スピリチュアルの世界とは本来、悟りや調和を大切にするはず。
それなのに、その実態は、荒れた学校の陰湿ないじめのようなものであり、人気と収益を巡る大人のライバル争いが繰り広げられていたのです。
「卒業」と称する都合のいい言い訳
そんな状況の中、現在ではかつての暴力的で破天荒なヒーラーたちが淘汰されつつあります。
- 霊能力者の数が増え、競争が激化
- 顧客の目が厳しくなり、誠実さなど人間性と実力のないヒーラーは信用を失う
- 時代が「ホワイト化」し、昔ながらの上下関係が通用しなくなる
しかし、脱落した者ほど「スピリチュアルを卒業した」と言いたがるのが滑稽です。実際は単に競争に敗れただけなのに、「まだそんなところにいるの?」と現役のヒーラーを見下し、自分を正当化しようとします。
彼らの多くは、最初から専業ヒーラーではなく、副業や主婦業の片手間で活動していたため、引退しても何も生活の収入には困らない。
だからこそ、「卒業」という言葉ひとつで体裁を取り繕うのでしょう。
これからの時代に求められる強さ
スピリチュアル業界は、これからも変化を続けるでしょう。これからの時代に必要なのは、
- 理不尽な上下関係に屈しない精神的な強さ
- 能力だけでなく、誠実さと知性を持ち合わせた人間力
- 偏見や誤解にさらされても、自分の軸を保ち続けるバランス感覚
乱世ともいえる価値観の狂乱の中で、自分の信念を貫きながら、必要な火の粉は振り払う──それが、これからのスピリチュアル業界で生き残るために求められる資質なのかもしれません。